南区に住もう!
「南区って何もないんでしょ〜?」って思ってるあなたへ!
2019年11月9日(土)ぽすとかんにて、「南区に住もう」相談会が開かれました。
人口減や高齢化、空き家が増加していると言われる南区ですが、これほど環境のよいところで暮らせるのは、札幌市の中では南区が一番ではないでしょうか。
「南区って住みやすいの?」という疑問に答える相談会として、南区の物件に詳しい不動産屋さんと、南区を愛する3人の方に相談員になっていただき、相談に応じていただきました。
それぞれの方に、南区のすばらしさ、南区に住む、ということについて聞きました。
細貝陽子さん
(小金湯で農業を営み、
ミュンヘン大橋のたもとでシイタケを栽培)
南区に息子夫婦が住んでます!
家は南区に近い中の島で、そこで原木シイタケの栽培をやっていますが、今は小金湯にも農場を持って100種類以上の野菜を作っています。自然がある、食べものが豊富、米やタマゴを作っている人がいる、山があって、川がある、そんなところに農場を持ちたくて土地を購入しました。
将来は野菜の他に花畑ガーデンを作りたいという夢があります。きっちりと作られたガーデンではなく、そこにいるとほっとするようなガーデンです。アメリカにターシャ・テューダーという園芸家、絵本作家の女性がいましたが、その世界をここで実現させたいと思っています。これは南区でないとできません。1人で楽しむだけでなく、こういうライフスタイルに興味がある人に、ぜひ見せてあげたいです。3男夫妻も同じ小金湯に物件を購入し、そこに住みながら農業をやっています。南区ライフを楽しんでいるようですよ。
野坂実紀さん(川沿の「カフェSUVACO」オーナー)
南区で子育て中!
私は大阪生まれですが、小学校6年生で岩見沢に引っ越し、そこからは北海道です。調理の専門学校を出てから、札幌の製菓店でパティシエとして働いていました。
以前は中央区に住んでいましたが、子育てしやすいところ、緑があるところ、いずれは一軒屋で店ができるところ、と探してたどり着いたのが南区でした。「高齢化がすごいところだからやめた方がいい」と言われたのですが、実際に店を開けてみて思ったのは子どもが多い家庭が多い、ということでした。
実家があるとか、一戸建てで土地も広くとれるとかで、子育てにも余裕が出るのでしょうか。車があれば、都心に出るのも楽ですし、それほど不便を感じません。私も小学生の3人の子どもがいますが、のびのびしていてすごく子育てしやすい場所だと思います。ただ、子どもを産める病院が近くに少ないというのが若い世代にアピールするのに少し不安材料かもしれません。
大竹由香穂さん(南区内のクリニックの看護師さん)
南区で子育てしました!
私は大阪府出身、夫は群馬県出身ですが、1996年に家族で北海道に移住しました。「北海道に住みたかった」というのが一番の理由です。南区を選んだのは、森林ぽい雰囲気があると思ったこと、広そうだと思ったことですね。20年以上住んでみて、ここの暮らしは一言でいえば「ぜいたく」。水と空気がおいしいというのが当たり前なのが、とても恵まれていることだと思います。大好きな真駒内公園を、夏は走り、冬はクロスカントリースキーやスノーシューで楽しんでいます。
子育ても楽でした。進学熱にうかされたようなところがなく、それがかえってよく、子どもの選択肢が広がったと思います。南区なら保育園の空き待ちが少ない、自然が取り入れられている、というようなことになればこの地域も差別化できるのではないでしょうか。
下田伸治さん (南区のシブイ物件に詳しい不動産屋さん)
南区の中では、澄川~真駒内の地下鉄駅周辺が突出して不動産価格の高いところとなっています。南区の特徴である自然環境という点では弱いエリアなのですが、地下鉄徒歩圏という点が人気の大きな理由です。
南区は、おおざっぱに言えば駅から離れるほど安くなりますが、学校、買い物等に関しては、札幌市内の他の地域とまったく遜色ない利便性があるところがほとんどです。
自然環境豊かな中で暮らしたい、一戸建てに住みたい、という人に取ってはこれほどリーズナブルな価格で、選択肢の多いところはなかなかありません。
藤野や簾舞地区の土地の値段が安くなっていますが、大きな原因の一つが国道230号線の冬の渋滞です。特に朝が激しい状況です。近隣生活圏の利便性には全く問題がないのですが、街中へ通勤する人にとっては大きな懸念材料となってしまいます。
南区は表に出てこない(公に売りに出てこない)空き家が沢山あります。世代交代が上手く進んでいない実情があると考えられます。空き家になりそうだけど、どこに相談したらよいかわからない、古い家で使えそうにないから壊さなくてはならないのですが、その手間も費用も負担が大きいためそのままになっている、といったケースが多いのではないでしょうか。
通常、古い家がある場合、更地にして売るというのが市場では一般的です。それが経済効率が一番良いからなのですが、古い家でも直せば十分使えるものも沢山あります。
最近の若い世代の中には、古い家に興味を持つ方も多くなってきている気がします。壊さなくても、直して活用が出来るならぜひ活用方法を考えたいと思います。
南区には潜在余力がまだまだ沢山あると思っております。
ぽすとかんでは、「南区に住みたい」「南区の物件を売りたい、貸したい」といったご相談も承ります。お問合せは、ぽすとかん、または、以下の不動産屋さんにどうぞ。
札幌市手稲区西宮の沢1条2丁目3番18号 ウェーブ手稲ビル2F
有限会社クローバコンチネンタル
TEL:011-398-8598 / FAX:011-398-8597 担当 下田伸治
info#clover-continental.com (#を@に変えてご送信ください)
Minamiku Lovers 登場!
CASE 01
簾舞在住 マーク・ハミルトンさん
去年の2月に簾舞に引っ越しました。カナダ出身ですが、もう日本に住んで25年になりますから、人生のほぼ半分は日本暮らしです。1987年、18歳のときに姉妹都市の交換留学生として名寄に来たのが最初でした。その後、今度は文科省の英語教師派遣プログラム(JET)で同じ名寄に来て、その後北海道大学で学び、日本で結婚。今は大学の教員です。中央区や南区のマンションに住みましたが、長年の夢であった自然の中での暮らしを南区で始めました。
マークさんと奥さんの見佳子さん、愛犬のれいちゃん。敷地内に小川の水を引き込んで、小さなスケートリンクを作った。アイスホッケーはマークさんが長年やっているスポーツ。
いろいろと物件を探しましたが、不動産屋さんには、古い建物が建っている土地は建物を壊さないといけないからかえって値段が下がる、と言われました。今住んでいるのは、築50年の家をリノベーションしたもので、基礎や柱はそのまま使っています。
次に住む場所を考えていたとき、条件が三つありました。大きな木があること、プライバシーが保たれること、水の流れがあること、です。当然、街の中心部にはないので、郊外になります。ここにはそのすべてがありました。長年考えていた夢がやっと実現しました。
不便じゃないの?と言われますが、特にそう感じたことはありません。買い物も車で数分以内にいろいろな店があるし、職場にも20分くらいです。街に出るのにもそれほど時間はかかりませんが、ここにいると庭仕事や雪かきでけっこう忙しく、またそれが楽しいので、あえて街中に出かけることも少なくなりました。
庭のカエデの樹に穴を開け、メープルシロップを作った。手に持っている一瓶のシロップを作るのに、20リットルの樹液が必要。ほぼ一日、大鍋で煮詰めた。燃料は薪。
今、カエデの緑が芽吹く前に、樹液を採ってメープルシロップを作っています。カナダ人ですからね(笑)。大鍋で樹液を一日中煮詰めて作ります。燃料は庭の木の薪です。
カナダでは農場で育ちました。といっても、父は勤め人でしたからいわゆるプロの農家ではありません。でも、自然の中で暮らすすばらしさは、強く心の中に残っていたのかもしれません。「都市の中の田舎暮らし」がずっと夢だったので、南区はそれができるところでした。
住んでみてわかりましたが、ここでは近所の助け合いを強く感じます。作った野菜をわけあったり、いろいろなことを手伝ったり。「フレンドリー」という言葉がぴったりです。
CASE 02
小金湯在住 細貝直之さん・荘子さん
細貝直之さん、荘子さんは南区の小金湯で農業を営む30代前半の若い夫婦だ。直之さんは約3年の会社員生活の後、新規就農した。少量多品目の野菜づくりを中心に、果菜類、ナス、ピーマン、カボチャ等、年間で約100品目を育て、近隣のスーパーやイベントなどで販売する。
4人姉弟の末っ子で、もの心ついたときには両親は原木シイタケを作って栽培していた。本誌の座談会に登場してくれた細貝陽子さんが母親だ。両親の姿を見ながら、自然相手の仕事、食べ物を作ること、時間を自由に使える自営業にあこがれを持った。いずれは農業をやりたいという志を持ちながら、社会経験も必要と、マッサージやリラクゼーションのサービスを提供する会社で働き、接客業を経験した。
農家の細貝直之さん。自宅横の畑にで、いっしょに暮らすワンちゃんたちと。(写真提供:細貝直之さん)
「作ることに集中できる大規模農家ではなくて、僕たちのような小さな農家は自分たちで売る方法も考えないといけない。接客業は大事な経験でした」と細貝さん。
会社を辞め、しばらくアルバイトをしながら札幌市のやっている新規就農者向けの市民講座「さっぽろ農学校」に通った。直之さんは10期生、母の陽子さんも実は1期生だ。
その当時、直之さんが研修に行ったのが、今、夫妻が住んでいる小金湯の農家だった。就農する場所を探しているときに、研修先だった農家がちょうど廃業することになり、土地と住居を引き継いだ形となった。南区の住民となって約3年になる。
自宅のすぐ横に、自分の畑が広がる。(写真提供:細貝直之さん)
奥さんの荘子さんは農業には全く無縁だった。大学で建築を学び、卒業ごは建築事務所で働いていた。
「つきあっていた当時から農家になることは言っていたので、勤めの合間に畑を手伝ってもくれていました。ちょっと申し訳ない気もするんですが、今は自分より楽しんでいるかも。頑張り屋さんです」と直之さんは言う。
冬場はアルバイトに出るが、雪どけと共に農家の仕事が始まる。忙しい夏には日の出とともに起きて、日が暮れるまでさまざまな仕事がある。夫婦でいろいろ試行錯誤しながら、他の人が作っていないような野菜にも挑戦する。「種類も彩りも、いろいろなものがあった方が楽しいでしょ」と、直之さん。将来は通年で農業に関わる仕事ができるようになるのが目標だ。
採れた野菜は街中のイベントなどでの販売が多い。ちょっと珍しい野菜がたくさん並び、見ているだけでも楽しい。(写真提供:細貝直之さん)